ステージ上ではSiiya Brownの名で知られる椎谷求は、横浜の地元民に愛されるミュージシャンの一人だ。横浜、そしてそれ以外の場所でも、10年以上にわたり、ジャズの要素を取り入れたギターサウンドで観客を魅了し続けている。まだ彼の演奏を聴いたことがない方には、横浜の中心部でほぼ毎週のようにライブを楽しめる素晴らしい機会がある。しかしその前に、まずは彼についてもう少しご紹介しよう。
椎谷はギターを専門としながらも、マンドリン、ペダルスティールギター、バンジョーなど、複数の楽器を演奏するマルチインストゥルメンタリストである。洗足学園音楽大学で2年間学んだ後、奨学金を得て渡米し、ボストンの名門・バークリー音楽大学でさらなる研鑽を積んだ。
帰国後、椎谷はアルバイトや単発のギター講師の仕事をこなしながら、自身の音楽活動の道を模索する日々を送っていた。そんな彼に転機が訪れたのは、洗足学園時代の旧友からの一本の電話だった。人気アーティスト、大橋トリオ(大橋好規)のサポートギタリストとしてのオファーだったのだ。大橋の成功に刺激を受けた椎谷は、自らのソロアルバム制作を決意。そして2011年に、デビューアルバム『Mr. Guitar Gentleman』をリリースした。ジプシースウィングからフォーク、ブルースに影響を受けたポップまで、幅広い音楽スタイルを見事に表現した一作だ。ジャズを中心に学んできた椎谷だが、バークリー在学中にはジャンルの枠を超えた多様な音楽に触れ、自らの情熱で深く掘り下げていった。そうした多彩な音楽的背景は、今も彼の音楽スタイルに色濃く反映されている。
近年では、横浜中華街のローズホテル内にあるカジュアルなフレンチレストラン兼カフェ「ブラッスリー・ミリー・ラ・フォレ」で、毎週ライブ演奏をおこなっている。落ち着いた雰囲気のこの店で開催されている「Friday Jazz Night Live」は、ギター愛好家でもあるローズホテルCEOのテディ・リー氏によれば、今年6月で7周年を迎えるという。
演奏は、レストランの落ち着いた雰囲気そのままに、ゆったりとくつろげる空間でおこなわれる。ステージは設けられておらず、椎谷は店内の中央に小さなアンプを設置し、共演者とともに演奏を始める。実はこの7年間、このライブの企画・運営はすべて椎谷自身が手がけており、毎週さまざまなミュージシャンを招いてデュオ形式で共演している。共演者の多くは地元の音楽家で、使用する楽器も演奏スタイルも実に多彩だ。最近では、ボーカルに加え、スティールパンやヴィブラフォン、フルート、バイオリン、ベースなど、さまざまな楽器が登場している。演奏ジャンルもジャズにとどまらず、ソウルやR&Bなど幅広く、常連メンバーのひとりであるハナ・アーディは、ソウルフルなR&Bボーカルで観客を魅了している。
金曜日のライブは、18時、19時、20時の3ステージ制で、各回およそ40分間のパフォーマンスが楽しめる。ミュージックチャージやテーブルチャージは一切ない。料理はアラカルトでの注文も可能だが、「前菜3種+ドリンク」付きの2,500円プラン、「アミューズ・ブーシュ+ハンバーガー+ドリンク」の3,500円プラン、そして「2ドリンク付き豪華コース料理」の7,000円プランの3種類の食事プランも用意されている。
家族との集まりでも、デートでも、一人でふらりと立ち寄る夜でも、椎谷と仲間たちが、ライブで迎えてくれるはずだ。
