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    Tetsuo Ohkawa

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    By Seasider on 6月 3, 2020 特集

    大川哲郎は株式会社大川印刷の6代目社長だ。横浜を拠点とする同社には、我々も本誌『横浜シーサイダー』の印刷で10年ほどお世話になっているが、ほかにも多くの地元企業が大川印刷と連携して活動している。先日、その大川社長が印刷媒体の重要性と将来について、本誌創業者ライ・べヴィルのインタビューに応じてくれた。

    今回のインタビューが、よりによって新型コロナウイルスの影響で創刊以来初となる電子版のみでの掲載という皮肉(且つ不幸)な結果になった事は、両者ともに自覚しているところだ。

    紙や印刷物が重要だと考える理由をお聞かせください。

    一つは、手渡しができるということですね。例えば、説明したい時にその場で「見て」と言って渡せるというのは、紙の大事な部分ですね。もう一つは、新商品がリリースされた場合は、紙のDM(カタログや印刷物など)の方がECサイトより売り上げがいいというデータも出ているそうです。そういったことがあるので、わかっている企業は紙をやめずに、ECサイトだけではなくてきちんと紙のDMを、しかも見て欲しくなるような美しい写真であったり、きちんと伝わるもの、人間の感性に伝わるものを作って配布しますね。それともう一つは、紙とデジタルを考えた時にその両方、またはどっちか片方がいいというわけではなくて、それぞれメリットとデメリットがあると思います。

    デジタルとか端末のメリットはまず、検索性が早いということです。デメリットとしては東日本大震災の時にわかったように、まず、津波に流されてしまったらもう終わりですし、電気がないと動かないということですよね。紙の方を考えると、デメリットとしては検索性が非常に悪いです。それから重くなってしまうので持ち歩きには不便です。紙のメリットとして直接手渡しができるということ以外に、一覧性と言いますが、ばっと広げるもの、地図とかそうですし、イベントの時の会場案内などは、とてもスマートフォンで見る気にならないです。それと、三番目はやはり触感です。例えば、バナナペーパーというのがあります。全部バナナの茎の繊維でできているわけでもないのですが、紙をよく見ると、その繊維の部分などがわかるわけです。そこにちゃんとストーリーが込められたりするわけですよ。そのような紙とデジタルの違いがあります。

    一つ、面白いエピソードがあります。うちの会社は古いでしょう。明治時代、1890年頃に出版した本を古本屋さんのウェブサイトで見つけて買ったんです。勝海舟という幕末に活躍した人がいるのですが、その人がタイトルの文字を書いているんですね。それを手に取ったら、もう100年以上経っているのに、思いの外すごく頑丈にできています。「100年経ってもこんなに取っておけるんだな、本は」と思いました。100年後、私の使っていたiPhoneを誰が取っておいてくれるかというと、誰も取っていないのではないか。どんどん変わっていってしまうでしょう。その中で本というのは、きちんとデザインされて装丁されていると大切に保管されます。100年後は多分、iPhoneをきちんと揃えるのはコレクターかメーカーしかいないのではないかなと思います。

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    手触りについてのお話が興味深いですね。物理的に本に触れることと記憶との間に関係があるかもしれないという話を私も読んだことがあります。また、若い人は、自分がとても関心のあるトピックについてはデジタルよりも活字の本を好むということが、最近の研究でわかったそうです。

    確かそれに関連する本が何冊か出ていると思うのですが、スクロールに人間の頭はついていけないという話があります。それで結局、記憶も定着しないのではないかなと思います。

    もう一つ、活字と民主主義の関係も大事ですよね。権威主義国家の場合、デジタル情報の流れなら政府もより簡単にコントロール出来ます。印刷したものは手で配ることが出来るわけですから。ですから、新聞もとても重要ですね。もし新聞が無くなってしまったら、あらゆる情報はインターネットに移行しますが、そうなると情報の流れをコントロールできるのは限られた数の企業だけ、ということになってしまいます。

    今の話でいうと、僕らも印刷物を作る側として感じているのは印刷とウェブとの違いです。ウェブだと間違ったら、ここを直していこうとすぐに直せるわけですよね。紙だと刷ってしまうと、刷り直すことはできますが、前に刷ったものは全部回収したり、それで「間違えました」と通知を出さなければいけません。そのため、印刷物とデモクラシーの関係では、簡単にフェイクニュースがネットで流せますが、ペーパーだと残ってしまうので、責任があるということですね。日本でもそうなんですが、昔、例えば明治時代の印刷物には印刷人の名前(会社の代表)が書いてあります。私の祖父の名前、大川重吉と書いてありました。でも今、誰がフェイクニュースを出しているのかわかりません。そういったことを考えると、紙の方が実は責任のある媒体であると思います。

     

    お祖父様の話が出ましたが、ご自身が社長に就任されたのはいつ頃ですか?

    15年ぐらい前です。

    その頃は当然すでにノートパソコンやインターネットもありましたね。事業を継いだ時、このデジタル時代において会社のどのような部分を変えていかねば、と思われましたか?

    実際に変えていったのは1990年代の後半に遡るのですが、やはり紙のメリットを理解しつつ、追求しつつ、変えていかなければいけないことがあると考えました。私たちが考えたのは自分たちは存在している意義、パーポス(目的)をソーシャルプリンティングカンパニーという言葉に込めたんです。これが2004年なのですが、社会的な印刷会社は何をやっていくかというと、印刷を通じて、あるいはこの会社の仕事を通じて、社会が抱える課題を解決していきます。こういう目的で会社が存在していると、新しい定義付けをして会社を変えていったのです。例えば、ライさんと一緒にやった仕事で、APECの時に食材のピクトグラムというのをやりましたね。宗教上豚肉が食べられないとか、そのような人たちに向けて絵文字でメニューを作っていたでしょう。あれをソーシャルプリンティングカンパニーとしてやるというような位置付けで変えていきました。

     

    10年以上前に私が起業した時、活字媒体はこの先無くなるよと人から言われていました。電子書籍やその読者が出始めていましたから。しかし、そうはなっていません。電子書籍やその読者は横ばいで、人は今も本を買っています。とはいえ、今後活字媒体はどうなるのでしょうか?

    一般的に言われてきているのは、今の子供世代が生まれた時から親にスマホを渡されて、ベビーカーに乗りながら見ているじゃないですか。ライさんのところはどうでしたか(笑)。

     

    実は「スマホを触る代わりに子供と話をすれば、それが子供の脳をおおいに刺激することになる」というリサーチを読んだので、私自身は子供にスマホを渡したことはありません!

    でも、そういった子供たちが増えてくるのは間違いないし、それから授業でタブレットを使うことが増えてくるので、ebookという部分は進んでいくのではないかなと思います。その分、紙が減ってくると思います。私にはエレクトリックギターが楽しいものであって、デジタルギターは全然つまらないんです。リアルな音が出るもの、一方でデジタル、例えばパソコンでギターを弾けるようなものがあります。それでいいという人と分かれています。同じようにebookとリアルなペーパーも、人それぞれで選びます。つまり、減るけれども紙はなくならないと思います。

    あと、1ヶ月ぐらい前にNHKのニュースで報道があって、日本の企業で会社案内がブームだそうです。どうしてかというと、日本の若者は3年以内に30%の新入社員が辞めてしまいます。昔は愛社精神というのがあって、どれぐらい会社を愛するかというところがすごく重視されました。グローバル競争になってグローバルスタンダードという言葉が使われるようになりました。

    愛社精神なんて関係ない、いかに個人が自己責任の中で稼ぐか、お金を儲けるか誰にも関係ないだろうというような風潮、雰囲気が日本中に漂った。グローバルスタンダードになった時にカットされたのは印刷ですよ。「印刷なんていらないじゃん、メールも出てきたし、インターネットが繋がったし」と言われました。真っ先になくなったのが会社案内とか社内報です。

    どんな社内報を作っているかというと、そのニュースで見たら、ある会社がプロデュースしているのは週刊誌や雑誌のようなものです。例えば機械の部品のメーカーだと、その部品を使ったハーレーか何かの写真に社員が乗っている格好良い表紙を作り、それから社員さんが実際に取材して社長にインタービューをしている様子が雑誌のように載っています。

    日本の企業は、今言った定着率、社員さんが辞めないようにしたいので、会社精神を育むために社内報を作っています。あるいは、外部の人が「この会社だったら面白そうだな」と入ってもらえるように社内報を作ります。これも最初に言ったように手渡ししたい。学生にインターネットで見てもらうのは当たり前なのですが、直接資料請求があった時に、学生の家までそのパンフレットを届けたいんですね。だから、企業がブームのように会社案内をペーパーで作っているということは面白いです。

     

    大川社長は2000年代半ばにソーシャルプリンティングカンパニーになるという目標を設定されたわけですが、そこにはCo2ゼロの企業になるという目標も含まれていました。そのことについてお話ししていただけますか?

    日本では印刷業界で環境に対する取り込みは、1990年代の後半から再生紙や大豆インキなど、マテリアル関係で進んでいったんです。ですが、そこには限界があって、紙は木質資源だから使い続けていればなくなってしまうし、インキもいくら植物系のものに変えようとしても限界があります。紙の方は森林認証、FSCのような形で植林がプログラムに組み込まれるということで、ある程度よくなるでしょう。インキに関しては当時、石油系溶剤が入ってたのですが、今それはゼロのものが出来上がっています。これは素晴らしいですが、ご存知の通り、パリ協定や最近の科学者のデータを見ても、もっと進めていかないと地球自体が持続可能なものにならないとわかってきました。

    特に近年起きているような気象災害、こういうところに対してどういうことを会社ができるか。他の会社や社会にもメリットを与えることが出来る取り組みになるのか、ということを考えた時に、ゼロカーボン化があるかなと考えました。具体的にどういう風にやるかというと、今現在は再生可能エネルギーを100% ー 太陽光パネルで20%、自家発電は残りの80%を青森県の横浜町という土地の風力発電の電力を買うことによって、再生可能エネルギーを100%にしています。

    最後に話題をガラリと変えますが、ロックバンドもやっていらっしゃいますね。人生において、音楽と印刷業にはどのような関係がありますか?

    ウェブサイトを見ていただくとわかると思いますが、うちの会社にはブルースクレドというのがありまして、黒人音楽のアーティストの名言と私の会社の理念が合致していることが13個あります。Jimi Hendrix、BB King、Duane Allman、Miles Davis、Stevie Ray Vaughnなどのメッセージが書かれています。一つは、シカゴブルースのベーシスト、Willie Dixonの言葉で「The Blues is the roots, everything else is the fruits.(ブルースは根っこ。他の全てはその果実。)」 です。これを会社で仕事に置き換えて、ブルースという言葉の部分をプリンティングに替えて説明しているんです。Printing is the rootsというのはプリンティングは根っこですね。他の全てはその果実です。根っこが腐ると実も腐ります。結局、根っこの部分がしっかり理解できていないとめちゃくちゃなものを作ってしまうじゃないですか。これを音楽と仕事とうまく合致するように説明しています。

    ありがとうございました。

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