関内駅近くにある「SAKE ‘n’ ROLL」は、その名のとおり、明るく居心地のよい雰囲気のなかで、日本酒やワインをはじめとする多彩な酒類と、それらに合う小皿料理を楽しめる魅力的なバーである。オーナーの君嶋聡氏は、横浜を中心にライブ活動を行うロックンロール・ギタリストである一方、日本全国に知られる酒類小売・卸売業者でもある。その二つの顔が、この店名の由来となっている。彼が率いる家業の「横浜君嶋屋」は1892年に創業した老舗である。横浜の歴史ある酒店に加え、東京の恵比寿と銀座にも2店舗を構え、酒類の販売だけでなくテイスティングも提供している。そして今回、新たに加わったこの関内店は、君嶋屋グループにとって実に喜ばしい新拠点となっている。

このバーでは、豊富な種類のワインをはじめ、数十種類に及ぶ酒類が取り揃えられている。今回私たちはグラスで提供されるさまざまな日本酒を味わってみることにした。訪問時には、店内の黒板に全国各地から厳選された16種類の日本酒が並び、いずれも手頃な価格で提供されていた。たっぷりと注がれるグラス酒のなかには660円から楽しめるものもあり、日本酒を気軽に味わいたい人にはうれしい。一方で、愛好家向けには1,000円から2,000円程度の希少銘柄も用意されている。おつまみは、ナッツやレンコンチップス、野菜料理など、日本酒バーの定番が揃う。その中でも特に印象的だったのが「チーズの味噌漬け」である。どの日本酒とも相性が良く、濃厚な旨味が口いっぱいに広がる逸品であった。小皿料理は440円から注文でき、気軽に酒とのペアリングを楽しめるのも魅力である。

これほどの歴史を持つ老舗企業が運営しているだけあり、スタッフの知識と接客レベルは非常に高い。提供される酒についての理解も深く、単に酒を楽しむだけでなく、その背景や特徴について学ぶ場として訪れる価値も十分にある。店内はこぢんまりとした雰囲気で、小さな四角いカウンターバーを中心に、数卓のテーブル席と屋外席が設けられている。どちらかといえば、一人でゆっくり酒を楽しむ場合や、二人で語らいながら過ごすのに最適な雰囲気である。一方で、カウンターには4~5人ほどが並んで利用することもできる。限られた特等席ではあるが、ぜひその幸運な客の一人になってほしい。
